勝手にボート部OBOG訪問 第4弾ー東京大学卒 立石さん

現役時にふと思う、「ボート部での経験って具体的にどんなことに役立つのだろうか」。なんとなくコミュニケーション能力や忍耐強さを思い浮かべてみる。確かにボート部での経験で身につく、もしくは更に磨きがかかる部分はあるだろう。では実際に社会人として働く先輩方に言わせると具体的にどんなときに「ボート部での経験が活きているな」と思うのか、コギカジが「勝手にボート部OBOG訪問」と称して直撃した。

ボート部で過ごした先にはどんな将来が待ち受けているのだろうか。

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【インタビュイー情報】
お名前:立石さん
現職:総合商社勤務
出身大学:東京大学

第4弾は、東京大学にて主将として活躍され、現在は総合商社にお勤めの立石さん。立石さんが歩まれてきた独自のキャリアには、どのような背景、想いがあり、ボート部での経験がどのように活かされているのだろうか。

目次

  1. 1. 立石さん独自のキャリアー「なりたい姿」を追い求めて。
  2. 2. ボートが僕にくれたものーー自己理解から来る自信、なりたい姿を考えられる環境。
  3. 3. 今の現役選手へ。
  4. ライター後記

1. 立石さん独自のキャリアー「なりたい姿」を追い求めて。

今僕は某総合商社のサステナビリティ・CSR部という部署で仕事をしています。扱っている商材柄、気候変動への対応を会社としても取り組んで行く必要があって。自然環境への悪影響をどう減らしていくかということを真剣に考えて、具体的に規律、仕組みに落とし込んでいくという仕事です。これが半分くらい。あとは近年投資家たちに注目されているESG投資というものがあるのだけど、これに対応すべく投資家とのコミュニケーションを担ったりもしています。加えて、人事の仕事も少しだけしているね。

実は最初の部署では船舶の売買を取り扱っていて。2年ほどいたのだけど、
その間に東日本大震災があって。
被災地に人を派遣するというボランティア活動をはじめたんだよね。団体の立ち上げにも関わって、そこから1年半くらい活動していました。

これを始めたベースには、「自分が大事だと思うことを一生懸命やる」という考えが自分の生き方のモデルとしてあってね。
これはボート部での経験で培われた部分だと思ってる。
勉強そっちのけで(笑)、ボートに打ち込んだ日々から得られたことだと思うんだ。
これは、Being(なりたい姿)の話と言えるねタイミングとして、社会人として生きている中で自分として社会に対してどうありたいか、というのを模索していた段階でそこに改めて気づいた感じだね。

かのスティーブ・ジョブズの言葉にこういうのがあって。これに通じる部分があるかな。

”今日が地球最後の日だとして、
今日予定されていることを本当にやるのですか?”

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実は何回か会社をやめようと思った時があってね。
それは自分らしくない、と思ったから。
ただ、当時の上司には「お前まだそこまで頑張ってないじゃん?」と言われて。そんなこともないと思ったが、そうかもしれないなとも思い、留まったんだよね。
そんな時にたまたまボート部のOBさんに「江戸川の中学生のボートスクールを手伝ってくれ」と言われたんだ。ふらっと行ってみると、そこには中学生2年生が1人。彼曰く、「ボートを誰も教えてくれない」とのこと。
ちなみにその子は、全日本中学選手権で十数位だったらしくてね。全然練習してないのに。
そこから毎週末、その中学生にボートを教えることになって 。
結局3足のわらじを履いてたことになるのかな。(商社、ボランティア、コーチ)
そして中3の夏、彼は全日本中学選手権で優勝したんだ。
そしてまた自分自身、彼に教える中で自分のありたい姿を取り戻した感覚があったんだ

その自分らしさを突き通した結果、会社のやるべきことがたまたま一致して、今はやりたい仕事をできているよ。
意志を持って動いて、その中で新たに意志が芽生えて、それに対して行動して、、という良い循環が生まれているのかもしれないな。

2. ボートが僕にくれたものーー自己理解から来る自信、なりたい姿を考えられる環境。

ボートが僕にくれたものとしては、大きく分けると2つあるかな。
まずひとつは「全力で生きた」ことで「自分の理解が深まったこと」。
ボート競技は、打ち込めば打ち込むほど学びが大きいスポーツだと思う。自分がどういう強みを/弱みを持っていて、どこがツボで動く人間なのか。自分という人間の理解が、1つのものに究極に取り組んだことによって、他の人たちより相対的にものすごく深まった
ある種、すごく大人になったと言える。よく周りにも年齢の割には落ち着いているねと言われるんだけど、これは先天的なものというよりかは、あの4年間で考え抜いてやり抜いたことによって身についたものだと思っているよ。
そしてこれが自信に繋がっているんだ。人と正面からぶつかってきたことがそこに繋がっていると思う。

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また、よく大人たちは若者に「やりたいことはなんだ」と投げかけるのだけど、これは間違っていると思う。やりたいことは移ろいゆくものだからね。
やりたいことがある必要もないし、作り出す必要もない。
ただこういう姿になりたいというのは移りゆくことがない。その人固有のものがあるはずなんだ。
その投げかけを自分に対してすることがとても大事。それをボートの生活の中で日々行うことができた。ボートがなりたい自分の姿を教えてくれたとも言えるね
これが2つ目。

(ーそれらは現役時代将来役に立つかもと考えていた?)
いや、とにかくどうやったら日本一になれるか、それだけを考えていた。
それで自分の中で絶対後悔しない自信があったからね。
次のための、次のためのっていうのは人生のステージごとにあるとは思う。だけど、いつもそれを追い求めていたら、「次のための」だけで人生が終わってしまうんじゃないかな。
「お前の本番いつなんだよ。」と。
僕は人生を本番で埋め尽くしたい。
次のための、ばかりを考えて生きる必要はない。
目の前のことに全力で取り組む。

3. 今の現役選手へ。

とにかく、余すことなく、
自分の目標をいかにして達成するかを死に物狂いで追いかけてほしい。
それが、ボート部生活を後から振り返って有意義なものにするための唯一の方法だと思います。
頑張ってください。応援しています!

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ライター後記

「人生における自分がやりたいことがわからない。」
現代において、一人ひとりの生き方が多様化してきたからこそ、この悩みを抱える若者は多いのではないだろうか。
そこで大事な考え方が、「なりたい姿」を追い求める、というものなのだ。
自分の行動の原点ともなりうる、このなりたい姿を見出し自覚することは、立石さんも言及されていたように「自信」に繋がり、周りにもいい影響を与えることになるだろう。
そしてもう一点、目の前のことに必死になることの大切さ。
「お前の本番、いつなんだよ」の言葉は私自身にも深く突き刺さり、インタビューからしばらく経った今でも私の中でこだまする。
読者の皆さんはいかがだったろうか。

今後もOBOG企画を通して、ボート競技へ打ち込むことの意味、そして社会人として活躍される皆さんの姿を紹介していければと思う。(N)

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