勝手にボート部OBOG訪問 第3弾ー元東レ滋賀選手 福田さん

現役時にふと思う、「ボート部での経験って具体的にどんなことに役立つのだろうか」。なんとなくコミュニケーション能力や忍耐強さを思い浮かべてみる。確かにボート部での経験で身につく、もしくは更に磨きがかかる部分はあるだろう。では実際に社会人として働く先輩方に言わせると具体的にどんなときに「ボート部での経験が活きているな」と思うのか、コギカジが「勝手にボート部OBOG訪問」と称して直撃した。

ボート部で過ごした先にはどんな将来が待ち受けているのだろうか。

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【インタビュイー情報】
お名前:福田さん
現職:保険会社社員
前職:東レ株式会社(東レ滋賀ボート部)
出身大学:仙台大学

第3弾は、高校、大学、社会人にて選手として活躍された福田さん。現役を引退するまでにどんなボート人生を送られてきたのか、その経験は今のご自分にどのように繋がっているのか。
是非ここに注目して読んでいただきたい。

目次

  1. 1.「今しかできないことを」ーー社会人選手の道へ
  2. 2.社会人選手に求められるのは効率性
  3. 3.ボート競技をやっていて社会で役に立っていること
  4. 4.今の日本のボート界に対して思うこと
  5. 5.「社会人ボート選手として活躍しようと考えている君へ」
  6. 6.インタビュー後記

1.「今しかできないことを」ーー社会人選手の道へ

ボート競技を始めたのは高校時代で、出身地長崎県にある大村高校から自分のボート人生が始まりました。大学では仙台大学でボート競技を続けることに決め、選手として活動していました。
大学4年の春まで高校の体育教員になろうと思っていましたが、嬉しいことに東レさんから声をかけてもらい、大学のコーチであった阿部さんに「今しかできないことにチャレンジしてみたら?」と助言をもらったこともあって、社会人選手の道を選んだんです。
今は選手を引退して、教員ではなく保険会社の社員として働いています。
ボートを引退してからの仕事の不安っていうのはなかったですね。
自分がやりたいことがあったので。
他の選手も不安はないと思います。日本では社員はいい意味で会社に守られていますから。
自分が大好きな趣味を、大企業という枠組みで取り組めるのは本当にありがたいと思っている人が多いんじゃないのかな、と思います。

ちなみに東レの中で見てみると、選手をやめて自分のやりたいことをする人か、東レに残って仕事をする人か、両極端に別れる感じですね。

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2.社会人選手に求められるのは効率性

東レ時代の一日の流れとしては、8:30~17:00まで仕事をして、終わった後にみんなで艇庫に集まって18時から20時くらいまで練習です。(乗艇準備と自主トレを含んで)
寝る時間は22時ごろで、朝は5時に起きてました。これは今も続けてます。

やっぱり仕事との両立もあるので、疲れを残さない為に毎回ROWOUTするほど追い込めなかったですね。そこは、大学生の方が練習量が多いと言えます。
社会人選手のキーポイントとしては、限られた練習の中でいいパフォーマンスを出し続けるかを考えることが重要ですね。

東レは戸田のチームとは違って会社から練習所まで近いので、練習環境は恵まれていると言えます。全員工場の裏にある寮にすんでいて、寮からも10分くらいで来れるんですよ。
ちなみに、ご飯は寮でおばちゃんたちに作ってもらえます(現在は業者のようです。)。基本は普通の量ではあるんですが、ボート部員のために追加で残り物を出してくれたり、家で作ってきたものを持ってきてくれたりして。本当にありがたかったです。

プライベートでは、自分は特に趣味はありませんでしたが、休みの日はボートの先輩とよく遊んでいました。今の現役はよくキャンプに行っているようです。
練習終わりには飲みにいくことが多かったですね笑

また、東レ滋賀の練習への取り組み方、スタンスの話になるんですが(私個人の意見かもしれません。)、
「ボートは楽しむもの」っていうのが根底にあります。それもあって、ガチガチに練習するっていう文化があまりないんです。楽しんだ先に結果があると。ただやっぱり勝たないと面白くないっていうのもあるので、目的意識を持ち、勝ちにはこだわってもいます。みんな、オンオフの切り替えがうまいんですよね。

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3.ボート競技をやっていて社会で役に立っていること

まず、「社会に出てボートの経験がどう役に立つのか?」「社会人ボート選手がどんなものなのか」を知ってもらることで続けてくれる人が増えるのではないかと思ってます。

で、自分自身ボートをやっていて何が良かったのかというと、やはり人間形成ができたところです。ボートには人として育ててもらいました。

僕はエイトに乗っていたのでクルーボートに限った話になってしまうかもしれないのですが、味方をどれだけ信用できるか、味方にどれだけ信頼してもらえるか、8人でどれだけ信頼を作れるか、これをいかに日々のトレーニングの中でできるか、が重要だと考えていて。
それは、心が折れそうな時に我慢できたり、自分がしんどい時に仲間が頑張ってくれると信じることができたり、ということだと思うんです。
ボートをしていなかったらここまで強い想いを抱くことはなかったと思いますね。

「社会人としての立ち振る舞い」において、この考え方は非常に重要で。
企業の中での助け合い。そこに対する、自分がやらなければいけないことがわかるんです。
仕事で意識しているのは、「自分の成功より人の成功」。
これを考えていると自分にも帰ってくるんですよね。

東レの中でも、あくまで僕目線での話出すが、ボート選手と一般社員の違いも感じる部分があって。
ボートをやっている人は、本当に粘り強い。
2000mのゴールが見えているからこそ、途中でうまくいかなくなっても諦めない人が多い印象ですね。
ちょっと無理と言って諦める人がいる中で、ボート選手はあきらめない。
ボート以上にしんどい練習はないですからね。拷問と言っても差し支えないぐらい笑
だからこそ、一歩引けばボートは輝いて見える、そう思います。

4.今の日本のボート界に対して思うこと

閉鎖的になってほしくないなと思います。
今は凄いチャンスで。東京オリンピックを控えていて、会場の問題とかで取り上げられていたし、世間の注目を浴びるチャンスです。
今回の富田さんの話もあるし、(2019年世界選手権で銀メダル獲得)リオオリンピックでカヌーの羽田さんが勝って、ボートも取り上げられている。 
ここ2、3年で、ボートという言葉を知らない人に知ってもらえたと思っていて、この機会を生かさない手はないと。
今ボート人口も増えてきていますし。
ただ、年齢が上がるごとに選手が減っていく構造があるのも事実で、高校生から大学生に続ける人は一握り、また社会人までやる人も一握りという感じですよね。
人口が増えてきた分、それぞれのステージでの受け口を増やしていく必要があると思うし、情報をもっと発信していく必要があると思います。

今注目しているのが、長崎のチョープロさん。
中央大学のOB北野さんと仙台大学OBの小谷さんが、「ボート後進県である長崎県に、大学・高校を卒業してからもボートを漕げる環境を作っていく」というコンセプトの元、コースと艇庫を作ってチームを作られたと伺っています。
地域に根差したチームを作られていると思います。
結果としても、全日本選手権で無しペア2連覇し、他種目でも入賞を続け、ボート界に新たな風を巻き起こしていると思います。

5.「社会人ボート選手として活躍しようと考えている君へ」

最後に社会人でボートを続けようか悩んでいる人に向けて一言。
「気負いすぎずに一歩踏み出して欲しい!」
一歩踏み出さないと何も始まらない。
もうちょっと続けたいと思うのであれば、飛び込んで挑戦した方がいい。
応援しています。

6.インタビュー後記

「ボートをしていなかったらここまで仲間を信じることができていない」
「味方を信じて、どれだけ味方に信じてもらえるか。」
ボートを極め、引退された福田さんだからこそこの言葉に重みを感じた。一人でも多くのオアズパーソンにこの記事を読んでもらい、「ボート競技を続ける」ことへの不安を、少しでも前向きな気持ちに変えることができたのであればこの上ない幸せだ。
我々が目指す未来に向けて、これからも多くのOBOGの皆さんにインタビューを行い、「ボート競技に取り組むことが何に役に立つのか?」と言う皆さんの疑問に答えていきたいと思う。

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