早慶レガッタ応援企画-新2年広報担当インタビュー~30000minutes~

明治38年に隅田川向島にて第1回大会が開催されて以来、100年以上の歴史を誇る早慶レガッタ。今年は第91回大会が3週間後の4月17日に開催予定です。

早慶レガッタライブ配信URL: https://www.cmstream.com/the_regatta/live_youtube/
(ぜひブックマークして観戦の準備を!!)


コギカジでは今回早慶レガッタ応援企画として、
試合が行われる4月17日まで、ボート競技ならではのレース前のカウントダウンアナウンス形式で、大会に携わる両校部員の記事を発信していきます。
大会3週間前に当たる本日は早慶レガッタまで『30000minutes』です。

第1回目は、大会の広報に携わる慶應義塾大学浅見さん(新2年生)早稲田大学荒川さん(新2年生)にお話を伺いました。ライバル同士で熱く火花を散らすレース本番とは対照的に、レースに向けた運営は両校協力しながら和やかに進めているとのこと。
そして記事の最後には、ご自身がボートや早慶レガッタについて信じているもの『What I believe』について伺いました。

早慶レガッタは秋から始まる

「4月の本番に向け、資金調達は前年の秋から始まります」
早稲田大学漕艇部の荒川さんはそう語る。

早慶レガッタの運営に携わる両校のマネージャー陣は、4月の本番に向けてインカレオフが明けた秋から仕事を始めるという。中でも資金調達に関しては早期から取り組みを開始している。
今年の資金調達では新たに”大企業にも積極的にアプローチしていこう”という方針を掲げスタートしたものの、活動当初は成果が上がらず苦戦したそうだ。

荒川さん
「自分が担当していた新規広告の開拓は難航していました。多くの企業へ電話で依頼をしましたが、なかなか協賛に繋がらずもどかしい思いを抱えていました。

そこで何かできないかと別の方法を考えていたところ、大会が開催される墨田区や台東区との連携ができないかと考えるようになりました。そして区営の美術館に電話してみると美術館の方から『区に直接依頼をしてみてはどうでしょうか? きっと力を貸してくれるはずです』とアドバイスを頂きました。
実はその時、美術館では既に予算使途が決定しており『応援したい気持ちはあるけどお金が出せない』とのことでした。その方のアドバイスをもとに直接墨田区の観光課の方へお話をしてみたところ、快く協力していただることになりタイアップ企画が決まりました」

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91st 早慶レガッタ×墨田区 タイアップ企画コロナ禍からの観光復興への寄与・地元との関係強化を軸に、今大会より開催予定!!
チラシを対象店舗の店頭で提示していただくと様々な特典を得ることができます。
特典の内容は随時早慶レガッタSNSにて公開予定です。
早慶レガッタの後は感染対策の上で、お得に浅草を観光しましょう!
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※更なる詳細は随時各種SNSで3月中に発信予定とのこと。ぜひ各種SNSのフォローを!!

荒川さん
「またその他にも早慶レガッタの魅力を多くの人に届けたいと思い、早慶レガッタではクラウドファンディングも実施しています。『500円の支援ごとに100m部員がエルゴを漕ぐ』などのユニークなリターンもありますので、ぜひ色んな方法で早慶レガッタを楽しんでほしいと思っています」

早稲田大学漕艇部 荒川さん

早慶レガッタのクラウドファンディングのページへはこちらから!!

https://www.spportunity.com/saitama/team/598/invest/554/detail?utm_source=mail&utm_medium=pjre220320


慶應義塾大学の浅見さんは主にSNSで大会の情報発信を担当している。

浅見さん
「僕は早慶レガッタをSNSで多くの人に知ってもらうために活動をしています。Twitter、 Instagram などの各種SNSで大会の情報を発信しています。大会当日を盛り上げることはもちろん、この取り組みには実はもう一つ目的があります。それは新入生の勧誘です。
4月に行われるこの大会は新入生がボート部へ入部を決めてくれるきっかけになっているんです。一緒に戦う仲間を募るという目的のためにもSNSでの広報活動を積極的に行なっています」

早慶レガッタの各種SNSはこちらから!!

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Instagram   https://www.instagram.com/the_regatta/ 
Twitter   https://twitter.com/The_Regatta?s=20&t=mstG1WhSiSAOuDVUyV6E9w 
HP     http://the-regatta.com/ 
youtube  https://www.youtube.com/channel/UCvTZhaX0RESPOvBs15muohQ 
TikTok      https://www.tiktok.com/@soukei_regatta 
当日のレース配信URL: https://www.cmstream.com/the_regatta/live_youtube/
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荒川さんと浅見さんは取材当時1年生だが、早くも大会運営における重要な役割を担っていた。

慶應義塾大学端艇部 浅見さん


また早慶レガッタの開催にあたっては審判艇の配備や映像配信の手配も行う。過去には数万人の観客を動員していたこともあり、安全確保に警備員を配置するなど大会によっては運営資金が数千万円規模になることも。それだけマネージャー人にかかる責任も重大だ。

今回改めて早慶レガッタを支えるという仕事がいかに大変であるかということが実感できた。
「隅田川にレース環境を整え、無事に保つ」
その大仕事を担っているのが両校のマネージャー陣なのだ。

開催までの苦労を知った上で観戦する今年の早慶レガッタ。
今までとは違った思いでレースを見守ることになりそうだ。

入部のきっかけ

伝統の早慶レガッタを支えるお二人の入部のきっかけについても伺った。

浅見さん
「僕は志木高(慶應義塾志木高等学校)端艇部出身ということもあり、もともとボートには馴染みがありました。でも実は高校でボートはやり切ったかなと感じていて、最初大学ではボート部に入ろうとは思っていませんでした。
高校3年の関東大会で『3位に入れば全国大会』というレースに出場し結果は4位でした。悔しい思いもありましたが、それ以上にやり切ったという気持ちの方が強かったんです。本気で部活をするのも良いけど、それよりもサークルに入って楽しく過ごす方がいいかなと思っていました」

「体育会はキツそうなイメージで避けていました」と語る浅見さん。
入部のきっかけになったのは、なんと入学直前の自転車事故だったという。

浅見さん
「入学直前の自転車事故で鎖骨と手首を骨折してしまいました。結構大きな怪我で4月末まで安静にすることが必要で、やっと華の大学生活が始まるぞという時に出鼻をくじかれた気がして辛かったです。そしてさらに辛かったのは怪我が完治して、いざサークルの新歓に参加しようとしたら、どのサークルも新歓期を終えてしまっていたことでした」

当初考えていた大学生活のプランは怪我によって一気に変わってしまった。
その時に思い出したのは、高校のボート部でお世話になった恩師の熱量だったという。

浅見さん
「せっかくの大学生活なので、どこの団体にも入らないのは嫌だと思っていました。そんなとき、ふと高校時代お世話になったコーチの熱い指導を思い出したんです。当時その方は一般企業での勤務の傍ら、僕たち高校生に指導をしてくださっていました。
いつも自転車で並走して陸から熱い指導をしてくれたその方が、慶應大ボート部の元主将だったことを思い出しました。そして一度ボート部にも見学に行ってみようかなと思ったんです。

実際に艇庫に足を運んでみて、そこでマネージャーという舞台があることを知ったんです。自分は選手としてはやり切ったと感じていましたし、体格的にCOXは不向きかなと思っていました。マネージャーの仕事を聞くうちに、今の自分に合っているかもしれないと思うようになりました。さらに当時の主務の方に熱意を持ってお話ししていただいたこともあって、ボート部への入部を決めました」

ボートから生まれる熱意が浅見さんを再びボート部へ引き寄せた。
「もしかしたら事故に遭ったのもボートとの縁なのかもしれません」と笑いながら語ってくれた。


高校時代からボートに馴染みのある浅見さんとは対照的に、荒川さんがボート部に興味を持ったのは大学入学後だったという。

荒川さん
「もともと高校まで陸上部で長距離を走っていました。大学でもサークルではなくて部活に入りたいなという想いはありました。しかし所属する学部のカリキュラム上、2回生の7月から1年間海外留学に行くことが決まっていました。
1年部活を離れるのでプレーヤーとして部活に参加するのは少し難しいかなと思っていました。そんなとき友人が勧めてくれたのがボート部でした。
マネージャーとして魅力的な仕事があると聞き、参加した新歓でのアットホームな雰囲気に惹かれました。そこから一気に入部を決めましたね」

荒川さんはボート部への入部について「大正解でした」ととびきりの笑顔で語ってくれた。

早慶レガッタへの想い

運営として初めて本格的に携わった早慶レガッタの開催が目前に迫っている。
お二人に今回の早慶レガッタに対する想いを伺った。

荒川さん
「ボート部に入部してからその存在を知った早慶レガッタですが、今からとんでもない試合が来るなと感じています。今の4年生の先輩は2年生のとき大会が中止になっていたり、昨年は慶應に負けたこともあり特に強い想いを持っていると感じています。それに『こいつと一緒に乗りたい』と言い合っていた選手が同じクルーに選ばれた姿を見たりしていると、漕手の想いが伝わってきてなんとも言えない気持ちになりますね。
そして全員『今年は負けられない』という思いは共通して持っていると思います。今から熱い試合になることは間違い無いので当日が本当に楽しみです」

浅見さん
「僕は高校のボート部時代から早慶レガッタには馴染みがありました。特に高校2年生の時は大会の補助員として観客の誘導を担当しました。当時はコロナ禍になる前ということもあり、ものすごい数のお客さんが来ていましたし、チアリーディングなんかもすごく活気があったのを覚えています。

でも今年運営として参加して、早慶レガッタの本当の熱さを知った気がします。
今年は大学生として、そして運営の立場で早慶レガッタに参加していますが、マネージャー陣もものすごく熱く仕事に取り組んでいます。当日まで自分の仕事を全うして、レースでは選手たちを全力で応援したいと思います」

What I believe

最後に、それぞれが早慶レガッタやボートに対して信じるもの『What I believe』を語っていただいた。

荒川さん
「僕はやはり”ボートの魅力”を信じています。自分でもびっくりするくらいボートに惹かれていて、今までボートのことを知らなかったのがもったいないと思うくらいです。

特に魅力的に感じるのが漕手ひとりひとりが想いを持って試合に臨んでいることです。観戦してくださる方は、『早稲田』対『慶應』とクルー単位でご覧になると思います。でも僕たちマネージャーは『必死に練習して念願のシートを勝ち取ったあの人』とか、『いろんな想いを持っている漕手をいつもまとめているCOX』などひとりひとりという単位で試合を見ていて、レースに対する解像度がさらに高い気がします。部活で過ごす日々が以前よりもさらにレースの魅力を教えてくれますし、ボートの魅力を信じる気持ちも日々強くなっています。

自分は”ボート競技の魅力”を心から信じているからこそ、それを多くの人に知ってもらいたいと感じることができます。だから早慶レガッタに関わる仕事でも積極的な行動が取れたのだと思います」

荒川さんの真っ直ぐな言葉を通して、我々コギカジも改めてボート競技の魅力について教えていただいた気がした。

また浅見さんは”ボートに関わる人の情熱”を『What I believe』として教えてくれた。

浅見さん
「やはり僕はボート競技に携わる人の”情熱”を信じています。入部のきっかけになったのも、高校時代のコーチの熱が自分の中に印象的に残っていたからでした。そのおかげで大学でもボート部へ足を運んで今に至っていますし、そういう熱に導かれている部分はあると感じています。

それに最近『熱を持った指導』というようなこと以外でも、日常からもボートに対する情熱って伝わるんだなと感じたことがあります。いま僕は試合を控えたCOXと同室で合宿生活を送っていて、部屋の壁には早慶レガッタのコースが貼ってあるんです。それを見ながらCOXは日々どう攻めようか戦術を練ったり、勝負のポイントになる場所を事前に考え日々イメージしているんです。その姿を見ているうちに自分も自然とコースの大切なポイントを覚えてしまいました。それってやっぱり熱意や想いが人から人に伝わるからなんじゃないかと思っています。情熱ってやっぱり自然と伝わっていくものなんだなと。

近年ではコロナ禍によって無観客になったり、中止に追い込まれたりと厳しい状況にある早慶レガッタですが、自分の信じるボートに対する情熱を絶やさないためにも開催日まで力を尽くしたいと思います」

伝統の早慶レガッタは、ボートの魅力や情熱に魅せられた両校の部員に支えられていた。
春の気配と共に、熱い戦いがもう目の前に迫っている。

取材後記~早慶レガッタまで30000minutes~

今回は大会広報に関わるお二人のお話をお届けしました。
早慶レガッタの魅力を当日のレースだけでなく、そこに至るまでの活動も含めて届けられないかという想いで今回取材をさせて頂きました。

運営の仕事内容の濃さにも驚かされたのですが、さらに印象的だったのがお二人の熱量でした。
自分の仕事やボート部に対する誇りのようなものも感じられ、また秋から苦労を乗り越えてきたからこその力強さも言葉から滲み出ていました。

浅草の春の風物詩とも言われている早慶レガッタ。しかし今回の取材で本番の4月17日よりずっと前に『早慶レガッタ』というイベントは始まっているんだなと感じました。

3週間後に迫った大会がより良いものになるよう、引き続きコギカジでは早慶レガッタを応援していきたいと思います。皆さんもぜひ4月17日は熱いレースの映像を一緒に観戦しましょう!

今回も記事を読んでいただきありがとうございました。
次回は早慶両校の主務にお話を伺う予定です。
大会2週間前の『20000minutes』でまたお会いしましょう。それでは次回もお楽しみに。

(〇取材:中山、〇記事:原田)

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